片手デバイスMH-DeltaはLogicool G13の替わりになるのか?FF14で試してみた

アイキャッチ・片手デバイスMH-DeltaはLogicool G13の替わりになるのか?FF14で試してみた PC周辺機器

少し前にAmazonがおすすめ商品としてMH-Deltaという左手デバイスをトップ画面に表示してくるようになり、気になっていました。

これは所謂「ゲーミングコントローラー」や「左手(片手)デバイス」と呼ばれるガジェットです。

ゲーミング用途に限らず、イラストや3Dモデリング、動画編集ツール等の補助入力装置としてこの手のデバイスは多種多様発売されてますね。

私も複数の左手デバイスを所持しており、何か良さげな新製品は無いかとAmazonでしょっちゅう物色しています。

私は全く知らなかったのですがこのMH-Deltaはクラウドファンディングで開発されたようで、現在Amazonで買えるようになっています。

価格は\15,800程で、決して安くはない&本当に使い物になるのか不明なので迷っていたのですが、少ないAmazonレビューが軒並み好評なので今回思い切って購入しました。

私は普段FF14をLogicool G13という左手デバイス(現在廃盤)とLogicool G600という多ボタンマウス、及びキーボードの組み合わせでプレイしています。

今回の記事は、果たしてMH-DeltaがLogicool G13の代替機になりうるのかという観点から実際に使ってみた上でのレビューとなります。

結論:FF14で使う分には全く問題ない

恐らくこの記事を開いている人は、私と同じように左手デバイスとしてG13を使いつつも、日々故障に怯えながらいつかどこかのメーカーが後継となるデバイスを開発・発売してくれる事を祈っているんじゃないでしょうか。

回りくどいレビューの前に結論をズバリ言うと、FF14のプレイに使用するという用途においてはMH-Deltaは充分使用に耐えます。

「\15,000もするけど、ちゃんと快適に使えるのか?」と心配している方もいるかと思いますが、全く問題ありません。

非常に快適に動作しており、完璧と言っていいです。

ただ、どうもこの製品、個人製作っぽい雰囲気があるので商品の供給がいつまで続くのか不明です。

なので、G13に替わる左手デバイスを心待ちにしている人は、在庫が無くなる前に急いで購入するべきだと思います。

MH-Deltaの外観

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成型は非常に綺麗で、企業製品と何ら遜色ありません。

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斜めにカットされた側面にアナログスイッチとデジタル4方向キーがあります。

スティック下部には3個のクリックスイッチがあります。

アナログスティック及びデジタル4方向キーは共に押し込み判定もあります。

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パームレストはありません。

段差的にパームレスト無しではきついので、私は市販のパームレストを置いています。

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ホイールは制御ソフトで「Mouse」モードに設定するとマウスホイールとして機能するようです。

Mouseモード以外でも上方向・下方向に回す動作にそれぞれキーをアサインする事ができます。

Logicool G13との比較

MH-Deltaは殆どの点においてG13よりも優れている、というのが私の感想です。

が、一部G13の方が勝っている機能もあります。

なので、気になるスペックについて比較してみました。

  Logicool G13 MH-Delta
価格 廃盤(中古価格1万~5万) \15,800(Amazon)
割り当て可能キー数 29(スティック4方向込み) 41(スティック4方向込み)
スティック アナログ アナログ
メモリスロット数 3 2
キー駆動方式 メンブレン メカニカル(赤軸)
プロファイルスロット機能 6スロット 無し(ファイルによる切替は可能)
同時押しキーアサイン 可能 可能
マクロ再生機能 有り 有り
マクロ行数制限 無し 30行
本体LCD 有り 無し
キーボードバックライト 有り 無し(メモリスロット識別用LEDのみ)
接続方式 PC側USB-A、本体は直結 PC側USB-A、本体USB-C

割り当て可能キー数

MH-Deltaはメカニカル方式のキーが4行5列の格子状配置で20個並んでおり、入力としてはこれがメインとなります。

対してG13は盃型の変形配置で22個のキーが並んでいます。

メインのキー数だけ比較するとG13の方が多いのですが、G13はメインキー以外だとスティックの4方向+スティック押し込み+スティック付近の2キー合計29個のキーです。

MH-Deltaはメインキーに加えスティックの4方向+スティック押し込み、デジタル4方向キーx2+それぞれのボタン押し込み、専用のクリック式ボタンx4(うち一つはメモリスロット切り替え用)、ホイールスイッチの上下、とメインキー以外に21個も入力経路があり、合計で41個のキーアサインが可能となっています(メモリスロット切り替え用を除くと40個)。

ただ、ことゲーミング用途においては、キー数が多ければいい、とは一概に言えません。

左手デバイスをゲームに使う場合、基本的に親指でスティック操作してキャラを常に動かしながら、同時に他の指でキーを押しまくる、という使い方になります。

これはPhotoShopやPremiereの操作補助として使う場合とは全く異なります。

いくらキーが多くても、スティックを操作している親指から遠すぎる位置にあったり、変な位置関係にあるものは基本的に使えない「無駄キー」となります。

つまりゲーミングデバイスとしての性能は、どれだけエルゴノミクスなデザインがされているかに左右されます。

キーの絶対数よりも「スティックを操作しながら他の指で押せるキー(有効キー)が何個あるのか」が重要です。

MH-Deltaはメインキー以外のキーもなかなか絶妙な位置に配置されており、G13と比較すると明らかに有効キーの数が増えました。

ちなみに、しばらく試行錯誤した上での私のFF14用キーセットはこうなっています。

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赤く塗った所がキーをアサインしている場所で、MH-Deltaでは29キー+アナログスティックをアサインしています。

一方G13はこういうアサインで、24キー+アナログスティックです。

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但しG13の場合、G1,G6,G7,G14はアサインしてはあるものの遠くて押しづらく、実際には使わない無効キーとなっています。

何の機能にアサインされているのかすら覚えていません。

なので実質、G13の有効キーは20キー+アナログスティックという事になります。

MH-Deltaはキー総数41(スティック4方向含む)ですが、私のFF14アサインにおいては有効キー数33という事になり、8キーが無効です。

一方G13はキー総数29(スティック4方向含む)に対して有効キー数24ですので、MH-Deltaでは有効キーが9個増えています。

これは体感的にかなり差があり、移行して良かったと思う点の一つです。

スティック

左手デバイスをFF14に使っている人にとって最も気になるのが「スティックはちゃんとアナログ入力なのか?」と言う点でしょう。

G13に類似した左手デバイスは探せば有象無象のメーカーがいろいろ発売しています。

が、どれもこれもスティックが付いているもののデジタル入力でしかなく、要はWASDをアサインしてねと言うだけの糞の役にも立たないゴミなんですね。

その点、MH-Deltaはちゃんとアナログ入力に対応しています。

正確に言うと制御ソフトで「Padに設定するとDirectInputデバイスのアナログスティックとして機能するようになります。

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私はFF14用のキーセットでは「Pad」に設定し、Adobe Premiere用のキーセットには「Work」に設定しています。

ですが、正直言って「Work」モードの利便性が分かりません。

こちらの公式ページでは、

MH-Delta – MH-Device

古いツールバージョンに沿った記述がされているため「Illustrationモード」となっていますが、曰く「ジョイスティックの斜め誤入力を防止するモードです。イラストや3Dを描くツールとして使用する目的に適しています。」と書かれています。

なのでWORKモードではスティックのXY値の閾値を絞ってデジタル4方向キーのように動作してくれる事を期待したのですが、斜め方向へスティックを入れると左右か上下のどちらかに判定されるように感じます。

ただまぁ、これはゲーム製作でも同じなんですが、アナログスティックをデジタル入力として扱う場合、斜め方向に入力があった場合に単純に無視すると、ユーザー側には「スティックを入れたのに反応しない」という不快感を与える事になるので実装が難しいと思います。

スティックのパーツに関しては、明らかにMH-Deltaの方がG13よりも良いです。

まず動きが滑らかですし、本体とのクリアランスがちゃんと取れています。

「本体とのクリアランス?何じゃそりゃ?」と思われるかも知れませんが、G13はスティック根元の球体のカバーと、本体フレーム側でスティックが抜けないように開けられている穴との間のクリアランスに余裕がありません。

これの何が問題かと言うと、永らく使っている個体だと「スティック根元の球形部分が本体フレームに引っかかり、スティックから指を離しても中心に戻ってこない」状態になる事があります。

超絶弾幕避け大縄跳び安地探しゲームであるFF14のレイドで必死にキャラを動かしていると、G13本体にも少しですが力がかかります。

すると永く使って経年劣化したG13だと、本体フレームがスティック根元の球形部分を噛んでしまい、そのせいで指を離してもスティックが戻らずに最後に入力した方向で固まるんですね。

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結果キャラクターも最後に進んだ方向へ向かって走り続けます。

これがどれだけ肝の冷える現象か、FF14プレイヤーには充分理解できると思います。

なので私は、へたれたG13本体のスティック周りのフレームをナイフでめいっぱい削って穴を拡げ、スティックの根元に干渉しないようにしています。

一方MH-Deltaの方は、これは賛否両論あると思いますが、スティックを傾けると中の基板が見えるぐらい、スティックと本体フレームのクリアランスが取られています。

なんなら本体フレームを分解しなくてもスティックをそのまま引っこ抜いてパーツ交換ができる設計になっています。

この造りでは、スティックが本体フレームに引っかかってフリー位置に戻ってこない、なんて現象は絶対に起きないだろうという安心感がありますね。

メモリスロット数

G13では本体にM1,M2,M3というボタンが付いており、キーアサインのセットを3個切り替える事ができるようになっています。

これと同様の機能がMH-Deltaにありますが、メモリスロット数は2個です。

MH-Deltaでこのメモリスロットを切り替えるには、本体のボタンを「メモリスロット切り替え用」に1個アサインする必要があり、デフォルトではZ4ボタンになっています。

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また、メモリスロットを切り替えると、ホイール付近の本体内部に仕込まれているらしいLEDが青色→緑色と変わります。

今どちらのスロットなのかは、青色=スロット1、緑色=スロット2で判別してくれ、という仕様ですね。

ゲーミングキーボードのようにキートップの文字のみ綺麗にLEDの色が透過する、という造りにはなっていませんが、まぁ識別さえできれば良いので問題ないですね。

プロファイル機能について

G13にはプロファイル切替機能というものがあります。

これは「現在アクティブになっているソフトウェアに対応したキーアサインのセット(=プロファイル)が適用される」というもので、そのためのスロットが6個(デフォルト含む)あります。

つまり、G13の場合、キーアサインのセットをプロファイル(6スロット)xメモリ(3スロット)の合計18セット持つことができます。

G13ではプロファイルの切り替え、メモリの切り替え共に本体のボタンで可能です。

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対してMH-Deltaですが、メモリスロットは2個で、G13のプロファイルに相当する機能がありません。

つまりキーアサインのセットが本体メモリ上の2個しか持てないので、色んなソフトウェアで別々のキーアサインを使用したい、という時に困るという事になります。

ただ、MH-Deltaには制御ソフト経由でキーアサインのセットをファイルに保存、読み込みする機能があります。

ファイルの保存数には制限が無いので、これをG13のプロファイル機能だと考えれば代用は可能です。

G13の場合はプロファイル数は6個と言う制限がありますが、1度設定したら本体のボタンのみでプロファイルとメモリのスロットを切り替える事ができます。

一方MH-Deltaは、本体のみでプロファイルを切り替える事ができないものの、ファイルとして保存するのでプロファイル数に制限が無い、という事になります。

これをどう捉えるかは個人の使用環境によるかと思います。

私個人に関しては、G13のプロファイル機能はFF14用とAdobe Premiere用の切り替えにしか使っていなかったため、MH-Deltaのメモリスロットx2で充分間に合っています。

G13を3種類以上のソフトウェアでプロファイルを切り替えながら使っている、という方は、MH-Deltaでも出来なくはないですが、毎回制御ソフトウェア経由で切り替える必要がある、という点に留意しておきましょう。

キー駆動形式

G13は安っぽいメンブレン方式ですが、MH-Deltaはメカニカルキーです。

キートップを引っこ抜こうとしてメカニカルキーボードに良く付属している器具でキーを引っ張ったら、キートップだけじゃなくスイッチごと抜けました。

キートップを外すと赤軸のようでした。

カスタムしたい人は好みの軸のキースイッチに入れ替える事も可能、という設計のようです。

私はあまりキーの打鍵感にこだわりが無いので、MH-Deltaのデフォルトの状態で何の問題もありません。

同時押しキーアサインは可能か?

一つのキーに対して「Alt + Q」とかアサインできるのか、というのは非常に重要な問題ですが、G13及びMH-Deltaでは可能です。

但しMH-Deltaの場合は

  1. 基本となるキー
  2. 同時押し用に設定が可能なキー1
  3. 同時押し用に設定が可能なキー2

の最大3キー同時押しがアサインできるという仕様です。

同時押し用に設定が可能なキーは Shift, Ctrl, Alt, Commandに限定されています。

なので L-Shift + L-Alt + DEL をアサインする事は可能ですが、 A + B + C をアサインする事は不可能です。

FF14のプレイにあたっては、「Shift + 1」とか普通に使いますので同時押しは必須ですが、「A + B」のようなアサインはゲーム側も対応していないので特に問題は無いですね。

マクロ再生は可能か?

G13(というかLogicoolのデバイス全般)はLua言語でマクロを書いてキーにアサインする事ができます。

Luaでマクロを書いた場合、少なくとも曲を自動演奏できるぐらいの長さのコードを突っ込んで平気で再生していますので、ステップ数(コード行数)の制限は無いようです。

Lua言語を書けなくてもLogicoolデバイスの制御ソフト上のエディタで、マクロを記録する事もできます。

MH-Deltaの場合は制御ソフト上のエディタでのみマクロを記録し、キーにアサインできますが、本体マイコンのメモリ容量が少ないので記録できるのは30ステップ(行)のコードまでとなっているようです。

マクロ機能に関してはG13(というかLogicoolのデバイス全般)の方に軍配が上がります。

まぁマクロに関してはG13でしか使えないという機能ではないので、どうしても必要ならLogicoolの多ボタンゲーミングマウスでも買ってボタンにアサインすれば良いだけの話でもあります。

制御ソフトウェアの使い勝手はどうか

こういうキー入力系のデバイスは、キーを割り当てるためのソフトウェアの使い勝手が非常に重要です。

MH-Deltaの制御ソフトは、MH-Delta.exeというそのまんまの名前のexeで、インストール不要です。

インストール不要という点で既に好感度Upなんですが、肝心の使い勝手も非常に良いです。

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シンプル且つ直感的なインターフェイスであり、説明を何も読まなくても「あーそういう事ね」とすぐに使い方が分かります。

いかにもエンジニアが作ったツールという無駄のないデザインで、予想外の変な仕様や挙動が一切ありません。

また、タスクトレイに常駐するわけでも無くキーアサインを設定する時だけ起動すれば良いソフトウェアなのも嬉しいです。

「クラファンで開発されたソフトって、使い勝手どうなの?デバイスが良くても制御ソフトがR●zerみたいな糞だとなぁ…」と懸念される方は多いかと思いますが、全く問題ありません。

特に海外製の勘違いGUIツールって「え?なんでこうなるの?」「は?ここ押すのかよ」という素っ頓狂な糞仕様にしばしば遭遇するのですが、MH-Deltaの制御ソフトにはそういう変な点が全くありません。

私はLogicool製品を複数使っているのですが、Logicoolのデバイス制御ソフト(私が使っているのはLogicool Gaming Software)はまぁ普通に使用に耐える出来だと思います。

センスの無いGUIと放置されているバグには辟易しますが、まぁ…許容範囲内ですね。

Ra●erとか言うメーカーもスティックが8方向デジタルボタンの使えない左手デバイスを発売しているのですが、Amazonレビューを見ると制御ソフトがそびえ立つ糞な上改善する気ゼロらしいので、いや誰が買うのあんなモン、って感じですよね。

MH-Deltaのここが良い

アナログスティックの補正機能がある

MH-DeltaのアナログスティックはG13のように接地面に対して水平ではなく、Raz●r製品のように斜めに配置されています。

斜面配置スティックは水平配置に比べて、ハッキリ言って操作しづらいと思います。

私がG13からMH-Deltaに移行して1番違和感があったのがこのスティックです。

斜面配置はメインキーとスティック間の距離を短くできるというメリットがあります。

一方で、自分では真っすぐ前後左右にスティックを入れているつもりが、スティック自身が傾斜しているせいで実際は入力が斜め方向へ微妙にずれている、という現象が起きます。

FF14の戦闘は足元50cm四方の安地を一目散に踏みに行くゲームなので、このちょっとのズレが致命的だったりします。

ですがMH-Deltaは制御ソフトウェアでスティックの中心線を調整(キャリブレーション)する事ができます。

「自分が真っすぐ前に倒していると思っている方向」を本体に記録する事で、その方向を中心線の正面に補正してくれます。

これが凄くありがたいですね。

私は最初デフォルト状態でアナログスティックを使っていたのですが、先に述べたようにどうにも違和感ありまくりでした。

なのでキャリブレーションを行ったのですが、調整後は全く問題無くなりました。

メインキーが格子状配置でホームポジションが安定する

メインキーが通常のキーボードと同じメカニカルスイッチ且つ、変形配置ではなく素直なマトリクス配置なので、この手の左手デバイスの中でもかなりコンパクトな造りになっています。

とは言え、キーとスティックの配置範囲だけ見るとコンパクトさではG13も負けていません。

ですがG13の何がダメかって、スティックから1番遠い行に7列ものキーがあり、最も近い行には3列しかないという変形配置のせいでホームポジションが全く安定しません。

キーを押すための指は4本なのに、最上段には7個のキーがあり、逆に最下段にはキーが3個しかないというあたおか仕様です。

MH-Deltaの場合は極めてノーマルなキーボードのように格子状にキーが配置されているので、ここと決めたホームポジションから指を大きく移動させる必要がありません。

G13からMH-Deltaに移行すると、G13ではいかに指をあっちこっちに伸ばしていたのかが分かります。

移行当初は体がG13のキー配置を覚えてしまっているので、1行上にあるキーを押すために2行上まで指を伸ばしてしまう、というタイプミスがしょっちゅう起きました。

体の方が「このキーはもっと遠くにあるはずだ」と覚えているせいですね。

逆にMH-Deltaの配置に慣れてくると、通常のキーボードをブラインドタッチしている感覚で殆どホームポジションから指を動かさなくなりました。

そこまで高価格ではない

\15,800という値段は決して気軽に買える値段では無いですが、そもそもこの手の左手デバイスは需要が少ないせいで高価格帯にあるため、実は安い部類に入ります。

「左手ゲームパッド」に限定するとRazer Tartarus Proが\19,500程するうえ、これは全く役に立ちません。

恐らくG13の代替機となりうる究極の左手ゲームパッドはAzeronシリーズなんでしょうが、こちらは\29,000近い値段です。

なのでMH-Deltaのライバルと言えるのは今の所Azeronのみなんですが、そちらと比較するとMH-Deltaの方が半額近い安さです。

この手のデバイスは故障して使えなくなると大変なので予備機が必須なんですが「Azeron Cyborg1台の値段でMH-Deltaを2台買える」と考えると、価格優位性は明らかですね。

G13をお払い箱にしてMH-Deltaに乗り換えた理由

一応、今でも動くG13を持っているのですが、私はさっさとMH-Deltaに乗り換える事にしました。

理由は以下の通りです。

G13は経年劣化すると電源が入らなくなるのが不安

G13は中古製品にしろ買ってしばらくは特に問題も無く快適に動作します。

が、1年も使っているとだんだん挙動が怪しくなってきます。

どう怪しくなるのかというと、最も困るのが「電源が入らなくなる」。

これが本当に致命的。

PCを起動して、本来なら常駐している制御ソフト(Logicool Gaming Software)がG13を認識し、本体のLCD画面が点灯します。

が、ある日突然、G13のLCDが一瞬点灯したかと思うとすぐに消えてしまい、G13をPCが認識しないという状態になります。

電源が入ってないんだから当然ですね。

電源供給はUSBコネクタ経由でしか行われていないので、本体に必要な電圧が足りないのか?とも思われますが、何せ廃盤になっている製品なので詳細は分かりません。

何度かUSBを挿し直したりPC本体を再起動したりすると、何食わぬ顔で起動したりします。

起動時のみならまだしもゲームプレイ中にいきなりG13の電源が落ちる事もあり、ここまで来ると「もうこの本体寿命かな」と諦めるしかありません。

諦めてどうするかというと、廃盤ゆえに高騰している中古を買うしかありません。

私の場合既にG13を5台くらい買い替えており、うち3台は中古品です。

ですが「電源が入らなくなって使えなくなった」本体を分解して、中の基板やらスイッチやらのパーツを、今使っている調子の悪い本体と入れ替えたりすると何故か動くようになったりするので、だましだまし運用している状態です。

スティック横のボタンを押すパーツが破損する

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G13の故障として最も有名なのは恐らく「スティック横のキーが反応しなくなる」という現象でしょう。

スティック横の2つのキー、これらには「G**」というラベルが無く、ただの「・」が印刷されています。

これは親指で押す想定でデザインされていますが、G1~G22のメインキーと違ってメンブレンキーではありません。

本体を分解すると分かるのですが、スティックのパーツがある同じ基板に、マウスの左右クリック用スイッチと同じスイッチパーツがハンダ付けされています。

このスイッチを「小さな樹脂の突起型パーツ」でチクチク押すような設計になっています。

この「小さな樹脂の突起型パーツ」の耐久性が低く、経年劣化でスイッチを押す突起の部分が砕けてしまうんですね。

結果、キーを押しても突起が砕けているのでスイッチが押されず、無反応になります。

こんなデリケートなパーツが耐久性の低い樹脂で形成されており、しかも全長5mmぐらいの細かいパーツのくせに複雑な突起状の形をしているため、原因はハッキリ分かっているのにパーツ交換以外修理する手段がありません。

完全にボトルネックになっており、明らかに設計者が無能です。

ここのキーってそんなに大事なの?と思われるかも知れませんが、これはメインキーに勝るとも劣らず大事です。

スティックを操作しながら一瞬で親指をこのキーに移して押し、またスティック操作に戻る、という動作をFF14では頻繁に行いますし、FF14以外のソフトでも親指に複数の役割を持たせる事ができるので非常に利用頻度の高い重要なキーです。

これがある日突然、いきなり使えなくなるのですから困りものです。

ただまぁ、これに関しては起動しなくなった、通電しなくなったけどここのパーツは生きている、というスペア品があれば分解してパーツを取り出し、移植すれば解決します。

スティックバグが鬱陶しい

これは以前このブログでも書いたのですが、G13はファームウェアも糞らしく、電源を入れる度に「アナログスティックが正常に動かなくなるガチャ」を引くことになります。

これはどういう事かと言うと、スティックを目いっぱい倒してもキャラが走らず、歩きしかできなくなるという現象です。

スティックのどこか1方向だけなんですが、例えば上下左には問題なくアナログ値が効いて走ったり歩いたりできるのに、右方向だけはスティックを目いっぱい倒しても歩きにしかならない、という現象が稀に起こります。

スティックのキャリブレーション値がぶっ壊れているかのような現象で、これが起きると「一定方向へは走れず、歩くしかない」という事になりますから致命的です。

この現象はG13の電源を入れ直すと何故か直るので、G13を接続するUSBポートは電源のオン、オフができるスイッチが付いていないと不便過ぎてやってられない、という事になります。

上にも書いたように私はG13を今まで5台ぐらい買い替えていますが、どの個体でも必ずこの現象が発生しました。

まぁ、電源を入れ直せば直る、と言うのを知っていれば回避できるバグではありますが、この回避方法を知らない人が現象に遭遇したら「何だこの使えねぇゴミは」と窓から投げ捨ててもおかしくないでしょうね。

廃盤ゆえに中古品までも高価格

有象無象のメーカー(Raze●とか)がG13のパチモンを発売しているものの、未だにまともに使える代替品がありませんでした。

つまり唯一無二の製品が廃盤になっているわけで、そうなると中古品ですら高額です。

数年前まではデッドストックの新品未開封ものがごく稀にAmazonやメルカリに出品される事がありましたが、そういう品は暴騰レベルの値が付いていました。

3万円は下らず、6~7万なんてのも見ましたね。

つまりG13に関しては完動品の入手性が下がる一方です。

そもそも製品の耐久性が低く、酷使するとすぐ調子が悪くなる上に買い替えるのが困難となれば、代替品があるならさっさと移行したいと全G13ユーザーは思っているはずです。

なので私も今回MH-Deltaをかなり疑いの目を持ちつつ購入したのですが、最初に書いたとおり、これはG13の代替品に充分なりえます。

有象無象のしょうもないメーカーではなく、いち個人がこのような製品を開発したという、その行動力と技術力は素直に称賛に価すると思いますね。

まとめ

こういう人におすすめ

  • G13を使っているが、いつ壊れるか不安。
  • G13を使っているが、キーの配置が気に入らない。
  • G13を使っているが、もっといい製品があれば移行したい。だけどAzeron Cyborgは高いし大仰過ぎてちょっと…。
  • 左手デバイスにアナログスティックは必須。デジタルではなくアナログ入力が重要。

こういう人には向かないかも

  • 3種類以上のアプリで、別々のキーアサインを使い分けたい。
  • 同じアプリでも複数のキーアサインを切り替えたい。
  • 30行以上の長いマクロを登録したい。
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