「ブレードランナー2049」感想~ネタバレ有り

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リドリー・スコット監督のブレードランナー(1982年公開)の正統続編としてドゥニ・ヴィルヌーヴがメガホンを取った「ブレードランナー2049」を川崎チネチッタのLIVE ZOUND版で観てきました。

結論から言うと、クオリティが低いというわけではないが、正統な続編という期待には遠く及ばない、といったところです。

なんと163分もある「2049」ですが、この尺の長さを全く感じさせないという意味では、単体で見ればテンポ良くまとまっている面白い映画なのでしょう。

ですが「ブレードランナー」の大ファンである身として言わせてもらえば、驚きも衝撃も無い平凡なSF映画でした。

前作の様々な謎が綺麗に解明される続編なのか?

いいえ、一切明らかになりません。ネクサス8が起こした「大停電」ってテロで記録がいろいろ失われたそうで。

結局デッカードはレプリカントだったの?

いいえ、触れられもしません。スルーされてます。

前作は、「映像・ストーリー・音楽・キャスト」の全てにおいて驚きの連続でした。

35年経った今、Blu-rayで観ても全く色褪せない魅力に満ちた作品です。

あの作品の続編という事で、ハードルはほぼ天井に近い高さなのはもう、しょうがないです。

が、それにしても、すごく肩透かしされた感がありますね。

これでは、時系列的には続編で、前作の要素は多少あるものの、望んでいた『内容的続編』ではないというのが私の感想です。

本作の1番の仕込みネタは「レイチェルとデッカードの間に子供が産まれた」つまりレプリカントのレイチェルが出産した、という点なんでしょうが、正直「ふーん」ですし、なんで妊娠できたのか?という点について一切説明がないので、タイレル博士(のレプリカント)が前作で言っていた「我が社は人間以上のアンドロイド製作を目指している」という言葉で片付いてしまいます。

つまり、レイチェル単体の性能として、そんな事もあり得るのかもね、で終わってしまいます。

が、レイチェルの出産を知るレプリカント達はやたら「奇跡」だと有難がってます。

人間とレプリカントとの間に子供ができるのが重要なのか、レプリカント同士で子供ができるのが重要なのか、レプリカントが受胎できる事が重要なのか言及されないので、いや奇跡て言われても・・・って感じです。

ネクサス型は知能もタイレル社長と同レベルなのに「奇跡」とか言い出すのが違和感ハンパ無いし。

これが、デッカードもレプリカントで、特注レプリカントの男女間でのみ受精が可能だったのだ、とか、タイレル社が密かに社会へ放ったこれらスペシャルモデル同士が出会うように前作の脱走事件が仕組まれていた、とか謎解きがあればスッキリするのですが、そういうの一切ナシ。

レイチェルが産んだ子供が実はライアン・ゴズリング演ずるところの主人公なの?という思わせぶりについても、これは終盤で裏切られるのですが「あーやっぱり?」という程度です。

実は子供が娘で、レプリカントの記憶製作の第一人者である博士がソレだっていうのも、同じく「まぁこの娘しかおらんし」という展開で、別に驚きもありません。

「出産で誕生したレプリカントの子供」を祭り上げて人間に反乱を起こそうとするテロリストが10人ぐらい?出てきますが、こいつらも出てきただけでなーんもしない。

まぁ、カーチェイス(スピナーチェイス)しますが、その程度。

「人間とレプリカントの戦争が始まる」とか大仰な事言ってた割には、なーんも起きませんし、「全てを知る覚悟はあるか?」と言うアオリ文句についても、結局何の事だか思い当たる節がありません。そんな重要な話してましたっけ?

まさかデッカードとレイチェルの子供が本当は誰か?って事を言ってるんじゃないでしょうね。

こういった「子供が産まれた事が奇跡で、それを革命に利用しようとする奴らがいる」というネタに関しては「トゥモローワールド」が既にやってますし、あっちの方が100倍素晴らしい脚本になってますので、正直、本作に関しては「しょぼいなァ」という感想しか抱けませんでした。

AI付きホログラフィック・ラブドールである「ジョイ」なんぞ、いまさらなネタに時間割きすぎです。

いらないでしょ、あんなキャラ・・・。

まぁ、前作をリスペクトしていて、ファンサービスもそれなりに考えているのは嬉しいですよ。

映像についてはかなりリドリー・スコット風に造っていますし、サウンドエフェクトも前作と同じ素材が使われていたりします。

キャストについてはハリソン・フォードのみならず、エドワード・ジェイムズ・オルモス演じるガフも出てきてびっくりしましたね。

ガフ出すのはいいんだけどさぁ・・・。

あの使い方はないだろう。

もっと話す事あるじゃない。

ユニコーンの折り紙の事だよ!

音楽については、ラストで前作の Tears in rain のアレンジ版が流れたのは良かったのですが、それ以外のオリジナルスコアについては全く印象に残りませんでした。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督だから音楽はヨハン・ヨハンソンかと思いきや、エンドクレジットを見るとハンス・ジマーだったので意外でした。

どうりで印象に残らないはずだ。

どうやっても前作のヴァンゲリスと比較されるから、ヨハン・ヨハンソンは敢えて辞退したか、監督が気を使って外したんじゃなかろうか、と思いましたね。

私は、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の過去の作品はどれも好きです。

「ボーダーランド」なんて何回も観てます。

本作も、決して平均以下の駄作というわけではありません。

が、期待が余りに大きかった故に、裏切られた感も大きいです。

前作があまりに偉大であるため、本作はどうしても「薄っぺらい凡作」に見えてしまうんですよね。

まぁ、とは言ってもBlu-rayは買いますけど・・・。

2017年

監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ

163分

出演:

ライアン・ゴズリング

ハリソン・フォード

アナ・デ・アルマス

シルヴィア・フークス

オススメ度:3.5/5.0

 

単体の映画として観れば普通でしょうか
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